司法書士望月賢治の「ナイスアプローチ!」│望月司法書士事務所

ブログ

外国にいる日本人が遺言書を作成するとき~効果~

外国にいる日本人が遺言書を作成したとき、
遺言の成立及び効力が問題となって日本国内で争われる場合、
遺言当時の遺言者の本国法である日本の法律で判断されることに
なります。
遺言の成立とは、遺言能力・遺言者の意思表示の瑕疵など、
遺言の効力とは、遺言の効力の発生時期・条件・取り消しの可否などです。

遺言の内容を実現する時、その相続手続きには亡くなった方の本国法を
適用する国が多く、日本もそうです。
外国にいる日本人が遺言書を残して亡くなった時、相続手続きは日本の
法律が適用されることになります。
ただしアメリカでは、相続財産を動産と不動産に分け、不動産については
アメリカの法律を適用するなど、日本の法律が適用されない場合もあるので、
遺言作成時に現地の国際法や遺言法等も検討しなければなりません。

外国にいる日本人が遺言書を作成するとき~作成方法~

外国にいる日本人が遺言書を作成するとき

日本人であれば日本の法律で決められた方式でも、遺言書を作成する時に
在住している国の法律で決められた方式でも、有効な遺言を作成できます。

外国において日本民法に基づく遺言を作成するには、
基本的には日本で作成する場合と同様の要件で自筆証書遺言を作成できます。
公正証書遺言や秘密証書遺言を作成する場合は、その外国に日本の領事館が
ある場合には、その領事が公証人の職務を行ってくれます。(民法984条)

領事により作成する方法は、その外国に住んでいることは要件ではなく、
旅行者など一時的滞在者も利用する事ができます。
本人確認は旅券や運転免許証の提示などで行います。

株式会社合併登記その2 合併比率

株式会社の合併手続きの中で重要な決定事項のうち、
合併比率をどうするかがあります。

合併比率をどうするかについては司法書士の専門ではないので、
税理士の先生に判断を委ねることになります。

A存続会社  資本金300万円  発行済株式60株
B消滅会社  資本金1000万円 発行済株式200株

合併比率がA:B=1:1.1に決まったとします。
この場合、B消滅会社の株主1株あたり、A社の株式を1.1株発行することになります。
つまり全体でA存続会社の株式を220株発行することになるので、
合併後のA存続会社の発行済株式数は280株になります。

 

 

有限会社の合併登記手続き

有限会社を存続会社とする会社間の合併はできません。

この場合、まず有限会社→株式会社へ商号変更してから
合併登記を進めていくことになります。

合併登記は思っている以上に時間のかかる手続きです。
まず債権者を保護する手続きに1カ月以上費やすということもあります。
また合併するには官報に公告を載せないといけませんが、
この官報の手続きに10~14日時間がかかります。

なので会社の合併登記は通常1ヶ月半から2カ月かかると
お客様には申し上げます。

認知症の方が遺言書をのこすことができるか

認知症の老人が遺言をしても遺言は無効となってしまうのでしょうか。

遺言者が認知症であるからといって必ずしも遺言が無効となるものではありません。
認知症の遺言者であっても、通常の手続きによって有効な遺言をし、遺言書を
作成することはできます。

ただ遺言作成時における遺言者の認知症が相当程度重症であるにもかかわらず、
複雑な内容の遺言書を作成するのは、なるべく避けた方がいいでしょう。
また遺言者が亡くなったあと、相続で揉める可能性がある場合などには、
遺言者の状況、医師の判断等を書面、ビデオ、テープ等によりできる限り
証拠化しておくことも考えておかなくてはなりません。

遺言者が成年被後見人である場合、遺言者が遺言書を作成する時には物事を弁識する
能力を一時的に回復していることや医師2名以上の立会いが必要となります。
逆に言えば、要件さえ満たせば成年被後見人でも遺言をすることができるという
ことですが、成年被後見人である遺言者による遺言につき、その要件を厳格に解し、
遺言能力を否定した裁判例もあり、成年被後見人による遺言にはリスクがあります。

夫婦が共同で遺言書を作成できるか?

(答) できません。

夫婦どちらかに万一のことがあった場合に備えて、同一の書類を用いて
「先に死亡した者が他方に財産を相続させる」との遺言書を作成する
ことはできません。
このような共同遺言は民法975条で禁止されています。

しかし、1通の証書に妻及び夫の遺言が記載されている場合であっても、
両者が容易に切り離すことができる場合には共同遺言には当たらない
とした事例もあります。

平成27年度のスタートです

新年明けましておめでとうございます。

本年で事務所を立ち上げてから10年となります。
これも皆様のおかげと感謝申し上げます。
これからもなお一層の精進を努めて参ります。
ご指導ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

さて平成27年度を迎え、改正相続・贈与税制度がスタートしました。
最大の変更点は、相続税の基礎控除がこれまでの6割になった事でしょうか。

昨日相談を受けました。
家族構成は、夫・妻・子ども二人です。
もし夫が亡くなったとしたら、昨年までは控除額が8000万円だったものが、
今年からは4800万円となります。
不動産としてかなりの資産をお持ちなので、この改正はかなりの痛手です。
そこで贈与税の「配偶者控除」の特例を使って、夫名義の不動産を妻名義に
変更する登記を行うことにしました。
「配偶者控除」の特例とは、婚姻期間20年以上の夫婦の間で居住用不動産の
贈与があった場合、基礎控除110万円のほかに2000万円までの控除が受け
れるというものです。
「贈与」を登記原因とする不動産の名義変更にはある程度の費用がかかって
しまいますが、それを補ってあまりある相続税の圧縮となります。
 

心の病と向き合う

11月の月報司法書士の特集は「心の病と向き合う」でした。

アルコール・ギャンブル・買い物依存、病気による就労不安など、 相談を受ける中で、
別のアプローチも必要なんじゃないかなと思う時がありました。
そんな時は相談者の家族と一緒に問題を解決していこうとするあまり、こちらも
相談者の悩みにどっぷり浸かってしまい、疲弊してしまうこともありました。
かと言って放置する事もできずにいる中、今月の記事は大いに参考になりました。

司法書士に求められる役割は3つ。
一つ目は傾聴と共感による「気づき」。
二つ目は関係専門機関への「つなぎ」
三つめは他の機関へつないだ後の「見まもり」

私は、二つ目の「つなぎ」の意識が足りませんでした。
まさに司法書士に求められる「ゲートキーパー」としての役割です。

ラグビーボールのパスを受けた後、トライのみを目指すのではなく、
さらにパスを投げる。チームとして解決していく姿勢が大切だと学ばされました。

金融機関口座の凍結

金融機関口座の凍結

人がなくなると、その人の口座は凍結され、以降出し入れすることができなくなります。

凍結を解除するためには、相続人全員の実印と印鑑証明書が必要となります。

相続人の間で争いがある場合には大変です。

ただし、公正証書遺言があり、その中でその金融口座を相続すると指定されている

相続人は、その相続人だけで手続きを進めていくことができ、簡便ですね。

相続人の間で争いが起こりそうな場合だけではなく、

例えば先妻の子どもや付き合いのない兄弟など、疎遠な相続人がいる場合には、

公正証書遺言を残しておけば安心だということになります。

3か月経過後の相続放棄について

「1年前に亡くなった叔母の借金の督促状が、先週、私のところに届きました。
葬儀が終わったあとで、叔母名義の家をどうするかの話は出ましたが、借金の
ことは一切聞いていませんでした。相続放棄は3か月以内にしなければならない
とありますが、私のケースで債務を免れることはできないでしょうか」
という相談です。

「相続財産の認識が全くない場合には、3か月の熟慮期間は進行しない」
というのが裁判所の考え方です。

今回の相談の場合、叔母の債務のことを知らず、そのことに過失は無いと
思われますが、遺産である叔母名義の家がある事を知っていたので、
承認するか放棄するかの選択をすべきであった、つまり熟慮期間は経過
していると考えられます。
また、その家を相談者以外の相続人が単独取得し、相談者は何も相続
しなかったとしても、相談者がその登記手続きに協力した場合には、自己の
相続分を処分したとして単純承認となり、相続放棄できなくなるおそれがある
ので注意が必要です。

以上兵庫県行政書士会・行政ひょうご連載「法情記」岡田清人弁護士著
からの抜粋でした。