負担付贈与とは?
負担付贈与とは、贈与者(あげる側)が受贈者(もらう側)に
一定の債務を負担してもらうことを条件に行う財産の贈与をいいます。
金融機関からのローンで購入した賃貸アパートを
ローン付きのまま贈与するようなケースです。
負担付贈与の税務上の取扱い
受贈者側に対する課税
負担付贈与の場合、もらった側にとっては「贈与財産の価額」から「負担額」を除いた金額が実質的な経済的利益になりますので、贈与税の計算式は、
( 贈与財産の価額 - 負担額 - 基礎控除110万円 )× 贈与税率
となります。
贈与者側に対する課税
負担付贈与をした側にとっては、財産をあげた代わりに債務の負担が消滅したわけですから、実質的に「負担額」相当額で財産を譲渡したことと同じです。
したがって、「負担額」を売却代金とみなして譲渡所得税・住民税が課税されることになります。
単純に貸家を贈与しただけでは「負担付贈与」に該当してしまう
賃貸アパートなどの貸家を贈与しようとする場合、入居者から敷金を預かっている場合が多いと思います。
敷金返還義務は贈与者から受贈者へ引き継がれることになり、受贈者側にとっては貸家をもらう代わりに敷金返還義務を負担する「負担付贈与」を受けたことになります。
つまり不用意に貸家を贈与すれば、贈与者に所得税が課税されるかもしれないのです。
敷金相当額の現金を贈与すれば「負担付贈与」を回避できる
このような場合、贈与者が預かっている敷金相当額の現金を同時に受贈者に贈与して
実質的に負担額をなくすことで、「負担付贈与」としての取扱いを回避することができます。