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月別アーカイブ: 2021年12月

ご挨拶

2021年も終わろうとしております。

今年も対コロナの1年でありました。
ワクチン接種も進み、一時は終息の構えを見せておりましたが、
ここにきて「オミクロン株」が猛威を振るう予兆を見せており、
予断を許しません。

どうか皆様方におかれましてはご自愛頂き、
健やかな年始を迎えることができますようお祈り申し上げます。

来年は1月4日から業務を開始いたします。

ありがとうございました。

関西スーパーの経営統合を巡る訴訟 日本経済新聞

関西スーパーとH2О系スーパー(イズミヤ・阪急オアシス)の統合に
関する訴訟は、身近なスーパー同士の話しなのでとても興味があります。

関西スーパーの経営統合に関する決議が、可決に必要な3分の2をわずかに
上回る66.68%の賛成で承認されました。

ところで訴訟の論点は、投票終了後に投票内容を株主の希望に応じて
「棄権」から「賛成」に変えた手続きが妥当かどうかでした。

大阪高裁が重視したのは、株主の意思を尊重した点です。
一方一審の神戸地裁は「用紙を回収箱に入れた以上、軽微かつ形式的な誤りだったとしても訂正できない」として形式を重視しました。

大阪高裁は、当該の株主が事前に賛成の議決権行使書を送付しており、総会会場で棄権とみなされる白票を誤って投票したとし、「株主の意思が投票用紙と異なっていたと明確に認められ、賛成票として扱うことは許容される」、「決議の方法は、法令に違反するとも、著しく不公正であるともいえない」としました。

この大阪高裁の決定は、総合的な観点からの柔軟な判断で、私は妥当であると思います。

住宅ローン減税の控除率の引き下げ

住宅ローン控除とは、10年間、毎年末のローン残高の1%を
所得税から控除するとういものです。

条件は、
(1)床面積が50平方メートル以上であること
(2)返済期間が10年以上であること
などです。

この控除率1%を0.7%に引き下げることが、自民党の税制調査会で
案として固まるという報道がありました。
ローン残高が2000万円として、6万円の控除がなくなる計算になるので、
結構大きいですね。
ただ、新築なら、控除期間が10年から13年に延びる案もあるので、
結局得なのか損なのか、個々の事情に依るということになりそうです。

 

コンビニの値引き店倍増 日本経済新聞

コンビニの食品廃棄が問題になったことがありました。
コンビニのオーナーが廃棄時期が近づいた商品を値引き販売したところ、
コンビニ本部が難色を示したというものです。

この問題に対し、公正取引委員会が加盟店との取引改善を要請し、
各社が対応策を示してから1年。
ローソン・ファミマ・セブンイレブンのコンビニエンスストア3社で、
販売期限が迫った食品などを値引き販売する店舗が3万店と、3社の国内店舗の
約6割に達したことが分かりました。
ファミマとローソンでは8~9割に達します。
加盟店の経営自由度が高まり、食品廃棄など社会課題の解決に応える環境が整い
始めてきました。

また、素材や製造工程、温度管理を見直すことで、味や品質を落とさずに従来よりも
長い消費期限を可能にするチルド弁当を開発するなど、そもそも食品廃棄にならないような企業努力もなされているとのことです。

地球に優しい環境作りに向けて、大企業の努力はもちろんですが、個々の努力も
怠ってはいけません。
日々意識を高くもってやっていきましょう。

婚姻前の氏名の登記

税理士法人の社員加入の登記を承りました。

新たに社員に加入される方は、旧姓で活動されており、
日本税理士会より、旧姓を使用することが認められています。

さて今回、旧姓での登記は可能かどうかの質問を受けました。

会社・法人の登記は、戸籍に乗っている「氏」での登記が原則です。
ただし、商業登記法規則81条の2により、旧姓の記録を申し出る
ことができるようになりました。

現状認められている登記は、
戸籍上の「氏」での登記・・・・・・・・・・〇
戸籍上の「氏」と旧姓の「氏」との併記・・・〇
旧姓だけの登記・・・・・・・・・・・・・・×
ということになります。

ただし税理士法人については、商業登記法規則81条の2が準用されておらず、
旧姓の記録を申し出ることができません。
弁護士法人での旧姓使用を求める審査請求がありましたが、
却下されてますね。

株式会社ではできて、税理士法人ではできないって、その違いがよく分かりませんが、
実務ではそのような取り扱いとなっております。

経営管理者・専任技術者のテレワーク恒久化へ

経営管理者や営業所選任技術者は、営業所に配置されていることが必要です。

2020年4月より、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために
テレワークが認められていますが、
経営管理者・専任技術者のテレワークが恒久的な措置になる見込みです。
コロナ後においても働き方改革の観点からテレワークが必要であると
判断されたためです。

条件は、本店や営業所などで職務に従事じている場合と同様の環境を
設けることです。

法務局における遺言書の保管制度その5 ~考察~

法務局における遺言書の保管制度について、4回に分けてざっと案内させて頂きました。

さてこの遺言書保管制度をどのような方が利用すればいいのか考察してみます。

1.公正証書遺言との違い
公正証書遺言の最大のメリットは、関与させたくない相続人を廃除して手続きを進め
ていくことができることです。
遺言者の死亡後、通常の自筆証書遺言では、裁判所での検認という手続きがあります
し、法務局の保管制度では、法務局から相続人全員へ通知されるという点で、相続人
全員の関与が避けられません。

2.通常の自筆証書遺言との違い
通常の自筆証書遺言のメリットは、安い(無料)・簡単という点です。
財産目録は手書きでなくてもよくなったので、より簡単になりました。
しかし紛失や、遺言書の存在を知らせれば中身を確認されてしまう、改ざんされてし
まうというおそれがあります。
また遺言書は形式が厳格に定められているため、形式が整っていないと無効となるお
それもあります。

3.法務局における遺言書保管制度手続きの取捨選択についての考察
相続人が多い、相続人の内に行方不明者がいる、疎遠になっている、知られたくない
人がいるという場合は費用をかけてでも公正証書遺言を選択すべきです。かける費用
以上のメリットを享受できると思います。

自筆証書遺言について、相続人が妻と小さい子供だけで、遺言書の内容をオープンに
しても構わないという場合は通常の自筆証書遺言でいいと思います。
例えば、若くして病気になり、自分の死後は全て妻に託すというような場合です。

多少の費用をかけて、遺言書の形式をしっかり確認しておきたい、遺言書の内容を秘
密にしておきたい、紛失のリスクを押さえたいという場合は法務局の保管制度を選択
することになります。
相続人への通知は、通常の自筆証書遺言は裁判所経由で、保管制度を利用している場
合は法務局経由の手続きとなり、手続き的には法務局の方が敷居が低くてやりやすい
かなと思います。