司法書士望月賢治の「ナイスアプローチ!」│望月司法書士事務所

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不備のある自筆証書遺言の登記

相続登記のご依頼を頂きました。
自筆証書遺言を持参されていたので、その確認です。

署名あり。
日付あり。
押印あり。
全文手書きされている。
不動産の特定がしっかりできている!
裁判所の検認手続き済み。

何の問題もなさそうです。
しかし、遺言の中身をじっくり読んでいると一つ分からない点が出てきました。
遺言書には、不動産は妻と二男に相続させるとあるのですが、その割合の記載が
ないのです。
登記をする際には持分の記載が必須です。
割合の分からない遺言書に基づいて相続登記をすることはできるのでしょうか。

割合の記載がないということは、妻と二男に2分の1ずつ相続させる
と推測することが常識的でしょうか。
管轄法務局に照会したところ、2分の1ずつの持分で登記してもよいという
回答を得ました。

本件ではどうしても相続手続きに関与して欲しくない人物がおり、
その人物の了承が必要だとかなったらややこしいなと思っていたので、
自筆証書遺言のみで登記手続きを進めることができて一安心です。

JーKISS型新株予約権の行使

JーKISS型新株予約権の登記がされている会社の、
新株予約権の行使による増資の登記手続きの依頼を受けました。

JーKISSとは、Keep It Simple Securityの略です。
JはJapanのJなのでしょうか。
ごめんなさい。ちょっと分からないです。
新株予約権の内容は登記されているので、登記簿をじっくりと読めば分かりますが、
JーKISS型新株予約権について詳しく知りたい方は、ネットで検索すれば
出てくるのでそちらを参照して下さい。

さて、JーKISS型新株予約権を行使すると、優先株式を発行することになる
ケースが多いので、登記事項は多岐にわたります。

登記事項です。ご参考までに。
「新株予約権の名称」第1回J-KISS型新株予約権
「新株予約権の全部行使」令和4年2月3日新株予約権全部行使
「発行済株式の総数」11780株
「各種株式の数」普通株式 1万株
A種種類株式 1780株
「原因年月日」令和4年2月3日変更
「資本金の額」金2548万4400円
「原因年月日」令和4年2月3日変更
以上に加えて、優先株式の内容がずらずらっと登記されます。

みなし解散 会社継続

みなし解散とは、12年以上登記がされていない株式会社,5年以上登記がされていない一般社団法人又は一般財団法人について,法務局が解散の登記をするというものです。

直近でいうと、令和3年10月14日(木)に通知が行われ、令和3年12月14日付で解散の登記がされました。

① みなし解散の登記がなされた後、会社を復活させたいと思ったらどうするのか?
みなし解散の登記がされてから3年以内に限り、株主総会の決議で会社を復活させることができます。これを会社継続の登記といいます。

② みなし解散の登記がなされた後、放置しておくとどうなるのか?
商業登記規則81条1項1号によると、
「解散の登記がされた後、10年を経過したとき、登記官は登記簿を
閉鎖することができる」とあります。
この規定によれば、会社が消滅するのは、みなし解散の登記がされた後、10年を経
過した後ということになります。
ただ登記簿を閉鎖することができるとしているだけで、登記官が必ず閉鎖しなければ
ならないということは書いていません。
つまり、10年間放っておけば会社の登記簿が閉鎖される可能性は高いものの、能動
的に、登記簿を確実に閉鎖したいと思ったら、清算結了登記を申請することが必要と
いうことになります。

 

相続人の配偶者が中国籍の方の相続登記手続き

中国籍の方が亡くなった場合の話ではなく、
日本人が亡くなり、中国籍の方が相続人になった場合の相続登記手続きのお話です。

今回は、日本人である夫が亡くなり、中国籍の妻が夫を相続したというケースです。
亡くなった夫の出生から死亡時までの戸籍を取得していきます。
夫の戸籍には中国籍の女性と婚姻したという旨の記載はされますが、
中国籍の妻は戸籍に入ることができません。
中国籍の妻に関して、どこまでの書類を揃えればいいのでしょうか。

中国籍の妻の住民票を取得します。
夫の戸籍には、配偶者の氏名・生年月日・国籍が記載されており、
妻の住民票にも上記と一致する情報が記載されています。
これだけでいいのかなと思いながら、住民票は住所の証明であり、婚姻関係の証明ではないと言われればそれまでなので、外国人登録原票を取得することにしました。

外国人登録原票には以下の情報が記載されます。
①氏名②性別③生年月日④国籍⑤職業⑥旅券番号⑦旅券発行年月日⑧登録の年月日⑨登録番号⑩上陸許可年月日⑪在留の資格⑫在留期間⑬出生地⑭国籍の属する国における住所又は居所⑮居住地⑯世帯主の氏名⑰世帯主との続柄⑱勤務所又は事務所の名称及び所在地⑲世帯主である場合の世帯を構成する者(世帯主との続柄,氏名,生年月日,国籍)⑳本邦にある父・母・配偶者(⑲に記載されている者を除く。氏名,生年月日,国籍)㉑署名㉒写真㉓変更登録の内容㉔訂正事項

以上から分かるように、外国人登録原票には配偶者に関する事項が記載されます。
これをもって婚姻関係を証明することができます。

実際の相続登記では、この外国人登録原票を添付して無事登記申請は完了しました。
中国領事館へ行って、婚姻に関する書類を取得する必要はありませんでした。

ちなみに外国人登録原票の請求先は以下のとおりとなります。
出入国在留管理庁総務課情報システム管理室出入国情報開示係
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-6-1 四谷タワー13F
電話:03-5363-3005
取得には1ケ月程度時間がかかるので、余裕をもって準備する必要があります。

全国的に週休2日が進展

国や都道府県、政令市で週休2日対象工事が全国的に進展し、災害復旧工事など週休2日が難しい場合を除いた工事公告件数 の6割を超えた。
全国平均の実施率は64%。
都道府県域単位で実施状況にばらつきはあ るものの、ほとんどが改善している。
~2022.1.17 日刊建設工業新聞~

建設業界は工期にしばられてなかなか休めないという話をよく聞きます。
少しずつでも労働環境が整っていくことはいいですね。

建設業計理士CPD講習の受付開始

建設業振興基金は、経営事項審査の改正で新設された登録経理講習に位置付けられてい る「建設業経理士CPD講習」の受講の受け付けを始めた。
1月末に東京で初弾、2月からオンラインで始まります。
2021年4月から施行され た経営事項審査では建設業経理の状況(W5)について、従前の公認会計士や税理士、建設業経理士の資格取得、試験合格に加え、
講習などを受講して登録を受けている者の数を 評価するよう改めた。
建設業経理士については、1級・2級 登録経理試験の合格または登 録経理講習の受講の翌年度から5年以内の者が評価対象となる。

~2022.1.12 日刊建設通信新聞~

建設業の一人親方対策~改善のない企業は入場禁止へ~

国土交通省は、建設業の一人親方問題への対応を目的とした、下請指導ガイドラインの 改訂内容を固めた。10代や経験3年未満の一人親方を対象に雇用関係を結ぶよう誘導す ることとし、元請けの指導に応じず改善が見られない下請企業は現場入場を認めない。2 月ごろまでに改訂案に対するパブリックコメントを始め、4月から施行する。具体的な改 訂内容は、「建設業の一人親方問題に関する検討会」による中間取りまとめを基に、一人親 方の在り方や元請け・下請けそれぞれの責任と役割などを規定する。
~2022.1.12 日刊建設通信新聞~

建設業界では一人親方は非常に多いです。
このガイドラインには注目しておく必要があります。

総合評価方式ー賃上げ表明で加点措置

4月から 賃上げを積極的に行う企業を調達で優遇する政府方針を踏まえ、
国土交通省は総合評価方式 を活用したすべての発注案件で新たな加点措置を導入する。一定水準の賃金引き上げで従業員 と合意したことを示す「表明書」を提出した入札参加者を加点する。
配点割合は加算点・技術 点の合計の5%以上に設定。例えば40点満点の場合、表明書提出による加点は3点(合計の 約7%)とする。4月1日以降の契約案件に適用する。国交省は各地方整備局などに加点措置 の実施要領などを周知した。賃金引き上げの表明書は入札参加者が希望に応じ提出できる。
~2022.1.7 日刊建設工業新聞より~

総合評価落札方式とは、 入札価格だけでなく技術提案(工事の質や内容など)も評価対象にする入札方式 です。 総合評価落札方式では入札金額の一番低い事業者が落札者になるとは限らず、むしろ 技術力の高い事業者ほど高く評価され、入札競争において有利 となります。

大規模災害被災後の生活再建のてびき⑥~住まいの再建~

被災後の生活再建のてびきが最終回となります。

最後は「住まいの再建」です。

応急仮設住宅や災害公営住宅は、自力での住居確保が難しい被災者のために整備されます。
一方、自宅を新築するなど自力での再建で多額の資金が必要になる場合は、被災者向けの有利な融資制度などを利用することができます。

自力での再建が難しい場合
1.応急仮設住宅
応急仮設住宅は、災害で住まいを失い、自らの資力では住宅確保ができない被災者の
居住の安定を図るために提供されます。建設型と借上げ型の2つのタイプがありま
す。
応急仮設住宅の家賃は無料ですが、家賃以外の生活費や生活用品の購入費、水道光熱
費などは居住者が負担します。また居住期間は原則2年間と定められていますが、災
害の規模や復興の状況などによっては期間が延長されることがあります。
2.災害公営住宅
災害で住宅を失い、自力で住居を確保することが難しい低所得の被災者は、県または
市区町村が、国の助成を受けて整備する公営住宅に入居することができます。家賃は
収入に応じて設定されますが、必要があると認められた場合は、一定期間、家賃が減
免されることがあります。
応急仮設住宅と異なり恒久的な住宅となるため、新たに建設される場合には提供まで
時間がかかります。入居に当たっては事前に広く公募があります。

自力で再建する場合<買う、建てる、補修、借りる>
1.被災者生活再建支援金
災害によって住宅が全壊するなど、生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対して支給
される被災者生活再建支援金では、住宅の再建方法に応じて「加算支援金」を受け取
ることができます。
2.災害復興住宅融資
被災住宅の所有者または居住者は、居住するための住宅を建設したりする場合、災害
復興住宅融資を利用することができます。災害により住宅が全壊し、そのり災証明書
が交付されているなどの要件を満たした方が利用できます。
住宅金融支援機構のホームぺージで確認できます。
なお、満60歳以上の被災者は、「災害復興住宅融資(高齢者向け返済特例)」を利
用できる場合があります。自宅の土地や建物を担保にして資金を借り入れる高齢者向
け商品で、「リバースモーゲージ型融資」とも呼ばれます。申込者が存命中は、毎月
の返済は利子だけでよく、月々の返済負担を低く抑えることが可能です。借入金の元
金は、申込者が亡くなった後に物件を売却して一括して返済するなどの仕組みになっ
ています。
3.応急修理
災害が住宅で大規模半壊・中規模半壊・半壊・準半壊した世帯について、被災した住
宅の屋根、居室、台所、トイレなど日常生活に必要な最小限度の部分を応急的に修理
する制度で、市区町村が業者に委託して実施します。借家でも利用できます。ただ
し、応急修理制度を利用すると、応急仮設住宅への入居が制限される場合があり、修
理できる箇所や修理金額にも限度があります。
4.市区町村による独自支援
大規模災害では、国等が提供する既存の支援制度だけでなく、被災自治体が独自の支
援策を創設する場合があります。具体的には、被災者に対する見舞金、住宅再建のた
めの支援金などを支給するといった内容になっています。大規模災害が発生した場合
には、自治体から発表される生活再建支援策に関する情報についても注意してチェッ
クしましょう。

大規模災害被災後の生活再建のてびき⑤~貴重品の紛失~

権利証や預貯金通帳、印鑑などを紛失しても、それらの権利を失ってしまうことはありません。過去の大規模災害では、こうした貴重品や重要書類等の紛失に関しても、被災者の便宜を図る柔軟な措置が取られています。

銀行のキャッシュカード・通帳
銀行のキャッシュカードや通帳を紛失した場合、本人確認ができれば一定の枠内で現金を払い戻すことができます。銀行印がなくても定期預金の期限前の払い戻しに応じるとった措置もあります。
災害時なので免許証などの身分証明書類を紛失しているかも知れませんが、被災者の被災状況などを踏まえた柔軟な方法で本人確認することになっています。
詳しくは金融機関に確認してみましょう

印鑑(実印、銀行印)
実印を紛失した場合は、新しい別の印鑑を用意して登録印鑑を変更できます。既に登録されている実印の廃止手続きを取り、新規に実印を登録します。
手続きは市区町村の窓口に確認しましょう。
銀行印を紛失して再登録する場合は、新しい別の印鑑と通帳、本人確認書類を用意して金融機関の窓口で手続きしましょう。

生命保険・損害保険
保険証書を火災で焼失したり、家屋倒壊で紛失したりした場合でも本人確認できれば請求手続きは可能です。加入している保険会社がわからない場合、一般社団法人生命保険協会の「災害地域生保契約照会センター」、一般社団法人日本損害保険協会の「自然災害等損保契約照会センター」へ問い合わせしてみましょう。保険契約の有無を照会することができます。
災害地域生保契約センター 0120-001731
自然災害等損保契約照会センター 0120-501331

健康保険証
医療機関では、健康保険証がなくても保険診療が受けられる特別措置が取られることがあります。この場合、氏名・生年月日・連絡先・加入医療保険者が分かる情報を伝えることで保険を適用して受診することができます。
甚大な被害があった場合には、医療費の自己負担が猶予される場合もあります。詳しくは加入している健康保険組合や自治体に問い合わせてみましょう。

権利証(登記済証)
土地・建物の権利証を紛失しても、不動産の権利が失われるわけではありません。
権利証は再発行されませんが、権利証がなくても売買などは可能です。

学用品
大規模災害で住宅に被害を受け学用品を失った小・中学校、高等学校などの児童・生徒に対しては、災害救助法に基づく現物支給として、教科書や教材、鉛筆などの文房具、ランドセルなどの通学用品が支給されます。