医療法人社団の理事長の交替の登記が無事に完了しました。
この登記には大きな問題がありました。
それは、その法人が、
「昭和63年以降何の登記もしていない」
登記を怠っている状態だったということ。
この医療法人の平成19年4月改正前の定款には、次の規定があります。
1.役員の任期は2年とする。
2.役員は任期満了後といえども、後任者の就任するまでは、その職務を行うものとする。
平成19年4月改正前の定款規定の知識が必要となります。
平成19年4月改正後は理事の任期は2年を超えることができないこととされましたが、改正前には任期に関する規定はなく、各法人が定款で上記のように定めているのが一般的でした。
そして、上記定款規定の2の項目を「任期伸長規定」と解釈をして、任期満了後につぎの理事が選任されるまでは任期が伸びるものとされていました。
そうすると、任期は再選時まで伸長されることになり、登記懈怠の問題はなかった
ということになりそうです。
平成19年4月の『医療法の一部を改正する法律』の中の附則によりますと、
1.改正前に選ばれた役員の任期は、改正前の任期で考える。
→つまり任期伸長規定を適用して構わないということですね。
2.定款は1年以内に変更しないといけない
→つまり1年は改正前の定款を認めるけど1年経ったら新法でやりますよ。
問題はどちらを優先するかということです。
これはもう法務局との事前打ち合わせが必要となりますね。
神戸法務局管轄では、任期伸長規定を優先するという考えでよさそうです。
今回は、昭和63年の登記の後に、平成30年1月の登記が入りました。
面倒なことにならなくて良かった良かったと思う次第です。