司法書士望月賢治の「ナイスアプローチ!」│望月司法書士事務所

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ccus導入企業経審で評価

CCUS(建設キャリアアップシステム)を現場に導入する元請企業を経営事項審査で評価することが、中央建設業審議会で提案された。
具体的な加点幅やその条件、ウエイトなどは年明けの審議会で示される予定とのこと。

国は、担い手不足や生産性向上を建設業の課題と考えており、経営事項審査で評価することにより、CCUSの浸透を狙っていると考えられる。

CPD(技術者の継続教育)が経審にすでに導入されており、
CCUS導入の流れは避けられないと考える。

法務局における遺言書の保管制度その1 ~概要~

自筆証書遺言は、自書することができさえすれば、
いつでもどこでも作成することができ、費用もかからないので、
手軽かつ自由に利用することができます。

一方で、紛失してしまう、改ざんされる、遺言者が遺言書の存在に気付かないなど
リスクがあります。

そこで上記のリスクを解消するための方策として、
自筆遺言書の保管制度が創設されました。

1.管轄の法務局はどこ?
遺言者の住所地・本籍地・不動産の所在地を管轄する法務局です。
ただし、出張所では取り扱いされておりません。
そのため兵庫県内では、須磨・北・東神戸・三田・八鹿の出張所では
取り扱いがありません。

2.申請者はだれ?
遺言者本人のみです。
遺言者本人が法務局に赴かなければなりません。もちろん介添えはOKです。
身内や司法書士の代理申請は認められません。

3.必要書類は?
申請する時、遺言書保管官による遺言者の本人確認がなされます。
本人確認は顔写真付きの書類に限定されているので、
顔写真付きの身分証明書を準備することが必須となります。
・個人番号カード
・免許証
・運転経歴証明書
・パスポートなど
他には、①本籍の記載のある住民票 ②戸籍謄本及び戸籍の附票(3カ月以内のも
の)があります。

自筆証書遺言の改正~平成31年1月13日~

改正前の自筆証書遺言は、遺言者がその全文を自書しなければなりません。
遺言書の内容の他に、不動産や金融機関の記載などしなければならず、
遺言者にとって「全文自書」はとても大きな負担でした。

実際、それが面倒で遺言書の作成を見送ったお客様を何人も見てきました。

今回の改正により、相続財産の目録を添付する場合には、その目録については
自書する必要はないとされました。
財産目録の用紙毎に遺言者が署名・押印するだけでOKです。
遺言書の内容については、今まで通り全文自書する必要があります。

財産目録は、
・パソコンで作成したもの・遺言者以外の者が代筆したもの
・不動産の登記事項証明書・預貯金通帳の写しなどが認められます。

この取り扱いは、平成31年1月13日以後に作成された自筆遺言証書について
適用されます。
それ以前に作成されたものは、全文が自書されていないと、無効です。

戸籍謄本の広域交付

戸籍謄本・除籍謄本が磁気ディスクをもって調整されている時、
本籍地以外の役場でも、戸籍謄本・除籍謄本を取得することができるようになります。

請求できる人は、「本人」、「配偶者」、「直系尊属」、「直系卑属」です。

戸籍謄本の広域交付は令和5年度からの運用が予定されております。

なお弁護士・司法書士などの職務上請求については適用外とされているので、
専門職はこれまで通り本籍地の役場へ請求することになります。

司法過疎地での開業

日本司法書士連合会から
「令和3年度司法過疎地開業支援の実施について」
と題したメールが届きました。

連合会が指定した地域、
高知県の端っこやら沖縄県の離島やら、これは分かる。
「青森県青森市」「岩手県盛岡市」って県庁所在地やないか~い!

子育てが一段落したら、事務所移動するのも悪くないねと言いながら、
メールを読み進めていくと、
支援内容
開業貸付金 180万円以内  定着貸付金 540万円以内
4年経過後より5年分割での返済

援助じゃないのか・・・

あまりに遠方だと文化風習が違うし、
おばあちゃんの相談が、方言で聞き取れないっていう事もあるんだろうな。
移動するならやっぱり近畿圏内なんだろうけど、近畿圏に指定地域はなしか。

登記費用の算出

依頼主から登記費用の見積もりを頼まれます。

司法書士が知りたいのは、不動産の評価額です。
でも依頼主からよく伝えられるのは、固定資産税納付額であったりします。
固定資産税は土地と建物の内訳、土地の面積などなどで違ってきます。

ルールは知っていても固定資産税から逆算して不動産の評価額を算出するのは結構難しいんですよね。
特に投資用の大規模物件の場合には・・・

大体でいいから計算してくれと言われましても、
数百万単位で違っていたら、えっ専門家なのに?って思われそうで・・・

表題部所有者不明土地の解消

表題部所有者不明土地とは、
1.不動産登記簿を見ても所有者が直ちに判明せず、
2.又は判明しても連絡が付かない土地
のこと。

原因は、昭和35年以降、それまであった旧土地台帳から現在ある不動産登記簿へ移行するときに、旧土地台帳の訳の分からなかった記載がそのまま引き継がれたことによって生じたものとのこと。

旧土地台帳とは、税務署が税金を公平に徴収するために作成していたもので、言わば太閤検地みたいなものなんでしょう。

税金を徴収するためのものから、所有権の公示制度へ移行したものだから、適当ものが残っていても仕方がないといったところでしょうか。

この問題を解消すべく、登記官に調査権限を与えられました。

裁判所の管理のもと、登記官の調査報告に従って、所有者不明土地の管理者が定められます。
管理者が土地を売却すると、その売却代金は供託され、一定期間が経過すると時効により国のものになるという流れです。

いつまでも放置されるよりは、こうやって土地を動かして経済を回していくのはとてもいいことだと思います。

一時払い終身保険を考える~遺留分対策~

父・母・長男・次男の4人家族。
父はすでに他界しております。
母の総資産は8000万円で、その全額を長男に遺そうと思っています。
そうすると次男の長男に対する遺留分が2000万円となります。

そこで母が「一時払い終身保険」に加入します。
これは母が90歳まで加入できる保険です
(加入できる年齢は保険会社によります)
2000万円分を一時払いしたとしましょう。
契約者は母、受取人は長男です。

母が亡くなった時、長男が死亡保険金として2000万円を受け取ります。

保険に加入しなければ、弟の遺留分請求権は2000万円でした。
ところで、2000万円分の保険に加入することで、母の相続財産は6000万円になっています。
(長男が受け取った2000万円は長男固有の財産とみなされます。)
なので、弟の遺留分請求権は1500万円となります。
保険に加入することで、遺留分の現金を準備することができると同時に、
遺留分の額も減らすことができるということになります。

保険は相続税の控除にも使えますし、是非検討すべき相続対策ですね。

配偶者居住権 メリットとデメリット

登場人物 父・母・子
父が自宅所有 家の価値が2000万円とします。
これでお父さんが亡くなった場合

配偶者居住権のメリット
お母さんが、法定相続分で、お金をより多くもらえることです。
配偶者居住権の財産価値は、お母さんの年齢により平均余命を勘案して決められます。
例えばお母さんが、
65歳なら半分くらい(約1000万)
80歳なら30%くらい(約600万)
90歳なら15%くらい(約300万)
これを無償で相続するので、
お母さんが家を配偶者居住権で相続すると、より多くのお金を相続できるということになります。

配偶者居住権のデメリット
1.認知症対策
配偶者居住権は登記されます。もしこの家を売却する必要が出てきた場合、この配偶
者居住権をお母さんが放棄し、登記を抹消する必要があります。この時、もしお母さ
んが認知症だった場合、配偶者居住権を放棄して、抹消登記をすることができなくな
り、家の売却手続きが進まなくなってしまいます。

2.税務上の問題
お母さんが配偶者居住権を放棄した場合、配偶者居住権分の価値を子がお母さんから
贈与を受けたという考え方になると思います。
まだ事例がないので何とも言えませんが、贈与税が発生する可能性はあります。

いずれにせよ、不動産を売却する可能性がある場合、配偶者居住権には注意が必要かもですね。

配偶者居住権

令和2年4月1日以降に発生した相続について、配偶者居住権制度が開始しました。

被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合、
その居住していた建物の全部について無償で使用及び収益をする権利を取得するとされました。これが配偶者居住権です。

ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあってはできないなどの条件があります。

そして配偶者居住権の登記もできるようになりました。
権利者:配偶者、義務者:建物所有者とする共同申請です。