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カテゴリー別アーカイブ: 事務所日記

感情と意思決定 その3

金銭の価値判断に関わる意思決定に続き、道徳的判断も感情に影響されてしまうという研究事例です。

以下はトロッコジレンマと呼ばれるものです。
制御不能になったトロッコが近付いており、このままだと5人の作業員が轢き殺されてしまう。あなたは線路のそばの分岐器の近くにいる。あなたがトロッコの進路を切り替えれば、5人は確実に助かる。しかし、切り替わる進路の先にも1人の作業員がおり、その作業員は轢き殺されてしまう。あなたが進路を切り替えることは、道徳的に許されるだろうか?それとも許されないだろうか?

これまでの研究からは、分岐器を使って進路を切り替える、つまり1人を犠牲にしても5人を助けようとする行為が道徳的には許容される、と判断する方が多数派であることが知られています。
もちろんこうしたジレンマに正解などなく、多数派だからといってそれが正しいとは言えません。ここでの重要なポイントは5人を助けようとする意思決定を行うのが多数派であるということです。

次はどうでしょう。歩道橋ジレンマというものです。
制御不能になったトロッコが近付いており、このままだと5人の作業員が轢き殺されてしまう。あなたは線路の上の歩道橋に立っており、そばに体の大きなAさんがいる。Aさんを突き落とせばトロッコは確実にとまり、5人は助かるがAさんは死んでしまう。あなたがAさんを突き落とすことは、道徳的に許される?許されない?

これまでの研究からは、先ほどのトロッコジレンマとは異なり、1人を犠牲にして5人を助けることは道徳的に許されないと判断する人が多いことが知られています。

どちらのジレンマも、1人を犠牲にして5人を助けるかどうかを選択するという意思決定場面です。にも関わらず、なぜトロッコジレンマと歩道橋ジレンマで、私たちの道徳的判断は変わってしまうのでしょうか?

続きはまた明日。

京都大学こころの未来研究センター 阿部修士淳准教授の寄稿より

感情と意思決定 その2

人間の意思決定が決して合理的なものでなく、感情を含めた無意識で自動的な情報処理の影響を受けるものであるとした実験として「プロスペクト理論」があります。

以下の二種類のくじのどちらかを引かないといけないとしたらどちらを選択しますか?
① 確実に7万円をもらえるくじ
② 70%の確率で10万円もらえるが、残りの30%の割合で
  何ももらえないくじ

こうした二択では、①と答える人が多数派です。

次の二択。
① 確実に7万円の罰金を払うくじ
② 70%の確率で罰金は10万円になるが、残りの30%の
  確率で罰金がゼロになるくじ

こうした場面では損失が0になる②の方に賭けてしまいがちであることが知られています。

私たち人間は利益を確定させ、損失を回避しようとする選択を行う傾向にあります。
この傾向は「損失回避性」と呼ばれます。
私たちは、同額の利益と損失では損失の方を過大評価する傾向があり、
損失を回避しようとする動機が強く働きます。
そしてこの傾向は、論理的思考や合理的判断によって生まれるものではなく、感情に由来していることが種々の実験から分かってきています。

こうした損失回避性は、進化の歴史に由来する可能性が指摘されており、
好機よりも脅威に対してすばやく対応する生命体の方が、生存の可能性が
高まるという解釈からは、なるほどと納得させられます。

京都大学こころの未来研究センター 阿部修士淳准教授の寄稿より

感情と意思決定 その1

月報司法書士2月号に興味深い記事があったのでご紹介します。

私たち人間にとって、生きるということは意思決定の連続です。
食事のメニューを決める、着る洋服を決める、といった日常的なことから、
進路の選択や配偶者の選択といった人生における重大事まで、
人生において意思決定は途切れることなく続きます。

こうした意思決定は、自分自身の信念や思考に基づく
合理的な判断によりなされると思いますよね。

ところが、私たちの意思決定は実際には、自分の意識の外で自動的に
起こるこころの働き、特に感情の影響を大きく受けるのだということが
心理学などの研究で分かってきているらしいのです。

次回から、具体的な事例をご紹介していきたいと思います。

京都大学こころの未来研究センター 阿部修士淳准教授の寄稿より

謹賀新年

新年明けましておめでとうございます。
昨年中は大変お世話になりました。
おかげ様で開業以来、最高の取扱件数となりました。
本年も新しい事にどんどんチャレンジしていき、
皆様のお役に立てるよう精進して参りたいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

一つの時代の終わりを感じます

親友のお父さんがお亡くなりになりました。
お父さんとは仕事でも大変お世話になっており、
年末にもお話ししだばかりでした。
突然の出来事にまだ信じることができません。

お父さんはどんな難交渉事でも、常に笑顔で、穏やかで、
でも言うべきことはきちんと言う、とても頼りになる人でした。

次は僕たちの世代が、頼られる存在になっていかなければ、
そう考えると自然と気が引き締まります。

お疲れ様でした。

謹賀新年!

新年明けましておめでとうございます。
今年も皆様のご期待に応えられるよう精進します。
よろしくお願い申し上げます。

信託活用の可能性

昨日、一般社団法人家族信託普及協会のセミナーに参加してきました。
テーマは「家族信託」。

信託に関する第一人者が登壇されていて、非常に刺激を受けました。

現在、家族関係が複雑化していき、社会は混迷の度合いを深めていっています。
その中、巷で言われているエンディングノートや遺言では対応しきれないのではないか
という想いがありました。

そこで信託という選択肢があることは、非常にいいことだと思います。

例えば子どもがいないご夫婦の場合。
ご主人の財産は、ご主人が先に亡くなれば、奥様に行き、
その後奥様が亡くなれば、奥様の親族に行きます。
奥様に行くのはいいとして、奥様の親族に財産が行ってしまうのはイヤだ。
遺言ではこの財産の流れを変えることはできないのですが、
信託を活用すればできるようになる可能性があります。(受益者連続と言います)

その他でもいろいろな可能性を感じます。

参加してよかったセミナーでした。

外国にいる日本人が遺言書を作成するとき~効果~

外国にいる日本人が遺言書を作成したとき、
遺言の成立及び効力が問題となって日本国内で争われる場合、
遺言当時の遺言者の本国法である日本の法律で判断されることに
なります。
遺言の成立とは、遺言能力・遺言者の意思表示の瑕疵など、
遺言の効力とは、遺言の効力の発生時期・条件・取り消しの可否などです。

遺言の内容を実現する時、その相続手続きには亡くなった方の本国法を
適用する国が多く、日本もそうです。
外国にいる日本人が遺言書を残して亡くなった時、相続手続きは日本の
法律が適用されることになります。
ただしアメリカでは、相続財産を動産と不動産に分け、不動産については
アメリカの法律を適用するなど、日本の法律が適用されない場合もあるので、
遺言作成時に現地の国際法や遺言法等も検討しなければなりません。

平成27年度のスタートです

新年明けましておめでとうございます。

本年で事務所を立ち上げてから10年となります。
これも皆様のおかげと感謝申し上げます。
これからもなお一層の精進を努めて参ります。
ご指導ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

さて平成27年度を迎え、改正相続・贈与税制度がスタートしました。
最大の変更点は、相続税の基礎控除がこれまでの6割になった事でしょうか。

昨日相談を受けました。
家族構成は、夫・妻・子ども二人です。
もし夫が亡くなったとしたら、昨年までは控除額が8000万円だったものが、
今年からは4800万円となります。
不動産としてかなりの資産をお持ちなので、この改正はかなりの痛手です。
そこで贈与税の「配偶者控除」の特例を使って、夫名義の不動産を妻名義に
変更する登記を行うことにしました。
「配偶者控除」の特例とは、婚姻期間20年以上の夫婦の間で居住用不動産の
贈与があった場合、基礎控除110万円のほかに2000万円までの控除が受け
れるというものです。
「贈与」を登記原因とする不動産の名義変更にはある程度の費用がかかって
しまいますが、それを補ってあまりある相続税の圧縮となります。
 

心の病と向き合う

11月の月報司法書士の特集は「心の病と向き合う」でした。

アルコール・ギャンブル・買い物依存、病気による就労不安など、 相談を受ける中で、
別のアプローチも必要なんじゃないかなと思う時がありました。
そんな時は相談者の家族と一緒に問題を解決していこうとするあまり、こちらも
相談者の悩みにどっぷり浸かってしまい、疲弊してしまうこともありました。
かと言って放置する事もできずにいる中、今月の記事は大いに参考になりました。

司法書士に求められる役割は3つ。
一つ目は傾聴と共感による「気づき」。
二つ目は関係専門機関への「つなぎ」
三つめは他の機関へつないだ後の「見まもり」

私は、二つ目の「つなぎ」の意識が足りませんでした。
まさに司法書士に求められる「ゲートキーパー」としての役割です。

ラグビーボールのパスを受けた後、トライのみを目指すのではなく、
さらにパスを投げる。チームとして解決していく姿勢が大切だと学ばされました。