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日別アーカイブ: 2024年5月20日

遺留分の権利が強すぎると思う件

遺留分とは、被相続人の遺産のうち、兄弟姉妹を除く法定相続人に対して保障される、
最低限の遺産取得分のことです(民法1042条1項)。

この遺留分の権利。強すぎないかって思うんですよね。

私が遺言執行者として関わっている案件です。

Aさんがお亡くなりになりました。
相続財産は5000万円。
Aさんは遺言書を遺しており、財産全部をAさんの身の回りの世話をしてくれた
姪っ子3名に均等に遺贈するというものでした。

さて、Aさんには一人息子のBさんがいます。
Bさんは障がい者で、病院暮らしです。
結婚はしておらず、子供もおりません。(相続人がいない)
すでに高齢で社会復帰の可能性もありません。
Bさんが困らないよう、成年後見制度を利用して、金銭的な援助は十分に施してあります。

ここでAさんが亡くなりました。
遺言書があるとは言え、Bさんには遺留分を請求する権利があります。
その金額2500万円。
成年後見人から姪っ子に遺留分の請求がきました。

Bさんの権利は法律で認められた正当なものだというのは分かるのですが、
Aさんを長年面倒見てきたのは姪っ子達。
Bさんには十分な援助をしており、仮に相続したとしてもその財産を承継させる
相続人がいません。

今現在弁護士にお願いして訴訟となっております。

ただ言えるのは、誰も間違っていないということ。
Bさんの権利は正当だし、後見人の主張も正当。
姪っ子の言い分も正当。
ただただ遺留分の権利が強すぎるんですよね。

欧米では、遺留分を請求できるのは配偶者と未成年の子供だけで、
成人に達した子供の遺留分はないそうです。
日本もこれに倣って欲しいなと思います。