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日別アーカイブ: 2022年10月27日

自分の相続分の預貯金の払い戻しを銀行に請求できるか?~預金の仮払い制度~

遺産分割協議が成立する前に、自分の法定相続分の預貯金の払い戻しを、
銀行に請求できるのでしょうか?

従来の取扱いは、預貯金は当然に分割され、遺産分割に含まれないので、
請求できるとされてました。
実務的には、銀行に払戻を請求しても、「相続人全員分の実印と印鑑証明書」が
求められますが、訴訟を起こされれば、銀行は、一人の相続分の預金の払い戻しに応じてきました。

平成28年12月19日の最高裁判決により、民法909条の2が新設され、
令和元年7月1日より扱いが変わりました。(預金の仮払い制度の新設)
内容は以下のとおりです。
① 預貯金は遺産分割の対象となる
② 銀行から引き出せなくなった
③ 葬式費用など死後の債務が支払えない
④ 預金の仮払い制度の扱いにより、一定額を引き出せるようになった

一定額というのは、
相続財産の3分の1に対する自分の法定相続分です。
相続財産が1200万円で、相続人が子供二人だけなら、
1200×1/3×1/2=200万円です。
ただし、一つの金融機関毎に上限が150万円と定められています。

当事務所では、銀行口座の相続手続きのお手伝いもいたします。
面倒だ・時間がないという方、是非ご相談下さい。