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日別アーカイブ: 2022年6月2日

登記原因「委任の終了」って何?

とてもマイナーな話です。

不動産の名義を変更する時、変更する原因を登記する必要があります。
「売買」したから名義を変更する、
「贈与」したから名義を変更する、
「相続」が発生したから名義を変更する、
といった具合に、登記名義を変更するためには何らかの原因が必要です。

いくつかある登記原因のうちの一つに「委任の終了」というものがあります。
見慣れない登記原因で、私も1、2回しかお目にかかったことがありません。
その「委任の終了」を登記原因とするお仕事を頂戴しました。

不動産の登記簿に登場することができるのは、「個人」か「法人」です。
法人は法務局で登記されており、法人登記簿でその実体を証明することができます。
個人は住民票や印鑑証明書で実体を証明することができます。

ところで世の中には個人でも法人でもない集合体があります。
すぐに思い浮かぶのは町内会とか自治会ですね。
自治会が土地や建物を所有していても、自治会の名前で登記をすることはできません。
代替手段として自治会の代表者個人の名前で登記をすることになります。
そして代表者が交替する時、「委任の終了」を登記原因として名義変更の登記をします。
代表者が死亡した場合でも、その子供に相続登記をすることはできず、
新代表に「委任の終了」を原因として名義変更をします。

以上「委任の終了」のお話でした。