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月別アーカイブ: 2015年2月

遺言書と異なる内容の遺産分割協議は有効か?

遺言書と異なる内容の遺産分割協議は有効でしょうか。

相続人が遺言の内容を知った上でした遺言の内容と異なる遺産分割協議は
有効であるとされています。
遺言によると財産を得る人が遺産分割協議によって損をすることになっても、
その相続人が了解しているからいいんじゃないの、という考え方です。

一方、相続人でない者に対して遺贈がなされた場合、
包括遺贈の場合には、その受遺者は相続人と同一の権利義務がありますので、
受遺者が参加していない遺産分割協議は無効となります。
また特定遺贈の場合には、受遺者は遺言者が死亡したと同時にその特定財産の
所有権を取得するので、相続人がその財産について遺産分割協議をしたとしても
特定受遺者にその効力を主張することはできません。

いずれにせよ、遺言と異なる内容の遺産分割をする場合には、
微妙な問題が出てくる可能性が大なので、慎重にすべきだと思います。

 

遺言できる事項は??

遺言には、遺言者の意思を書くのは自由ですが、
遺言書に書いてあることのすべてが相続人に対する
強制力を持つわけではありません。

法律的な効力が生じる事項を「法定遺言事項」と言いますが、
この中に、
「推定相続人の廃除」
「認知」
「保険金受取人の指定又は変更」(保険法44条)
などがあります。

しかしながら、遺言執行者が相続人の廃除の手続きを進めるのは難しいでしょうし、
認知が出てくると、様々な波紋を呼んで相続手続きが揉める可能性大でしょう。
このように遺言ではなく生前に行っておいた方がいい事項もあります。

保険金受取人の指定又は変更は生前にできることなんで、
これを遺言書でする必要性が今のところ私には分かりません。
どなたか教えて下さい(笑)

宅建業の廃業届け

宅建業の廃業届けを大阪府庁へ提出してきました。
必要書類は、
1.廃業等届出書(2部)
2.宅地建物取引業者免許証

続いては、
大阪府の押印済みの廃業等届出書の副本をもらって、
宅建協会へ廃業届け。
営業保証金の返還までには8カ月かかるそうです。
ながっ!

特殊車両のオンライン申請

道路を走る車両は、長さ・高さ・幅・重さなど制限があります。
そして、荷物を運ぶ場合、この制限を超えてしまう場合があります。
この場合、出発地から目的地までこういう荷物を運びますよという許可を
国土交通省から得る手続きをしなければなりません。
これが「特殊車両通行許可申請」です。

この申請、今では完全オンライン申請ができるようになっていて、
申請書を作成するのは便利になったと思うのですが、
マイナー過ぎて登録されていない道とか、ここをUターンするとか、
これがなかなか一筋縄ではいかず、
土曜日に事務所に出て、ただひたすらパソコンと向かい合うのであります~。

日本にいる外国人が遺言書を作成できるか

日本にいる外国人も問題なく有効な遺言書を作成することができます。
日本のように戸籍制度がない国がほとんどですので、
相続人の特定のため遺言書を作成しておく方がいいと思います。

方式は日本法に基づくものでも、外国人の本国法でも構いません。
ただ日本に財産がある場合、銀行や法務局が混乱しないように、
日本法方式での遺言を作成された方がいいと思います。

(1)日本法に基づく場合
  (ア)自筆証書遺言
     日本語でも、外国語でも作成できます。
     自筆証書遺言の場合、裁判所の検認手続で法定相続人に通知を送る
     関係上、相続人が外国にいる場合には手続きが煩雑になってしまいます。

  (イ)公正証書遺言
     自筆証書遺言では上記のような問題点があるので、公正証書遺言を
     作成することをお勧めします。
     公正証書遺言は日本語作らなければなりません。遺言する方が日本語
     の読み書きができないときは証人の他に通訳を立ち合わせて下さい。
     将来のトラブルの芽を摘むという意味では、外国人が日本語を理解
     できるとしても通訳を通しておいた方がいいかも知れません。

(2)本国法に基づく場合
  遺言者が母国語で遺言書を作成し、その国の大使館や領事館で公証を
  受けるという方法もあります。

海外に財産がある場合、日本法方式の遺言以外に、現地の弁護士と相談して、
その国の法律に基づく遺言を別に作成しておいた方がいいかも知れません。     
     
    

外国にいる日本人が遺言書を作成するとき~効果~

外国にいる日本人が遺言書を作成したとき、
遺言の成立及び効力が問題となって日本国内で争われる場合、
遺言当時の遺言者の本国法である日本の法律で判断されることに
なります。
遺言の成立とは、遺言能力・遺言者の意思表示の瑕疵など、
遺言の効力とは、遺言の効力の発生時期・条件・取り消しの可否などです。

遺言の内容を実現する時、その相続手続きには亡くなった方の本国法を
適用する国が多く、日本もそうです。
外国にいる日本人が遺言書を残して亡くなった時、相続手続きは日本の
法律が適用されることになります。
ただしアメリカでは、相続財産を動産と不動産に分け、不動産については
アメリカの法律を適用するなど、日本の法律が適用されない場合もあるので、
遺言作成時に現地の国際法や遺言法等も検討しなければなりません。

外国にいる日本人が遺言書を作成するとき~作成方法~

外国にいる日本人が遺言書を作成するとき

日本人であれば日本の法律で決められた方式でも、遺言書を作成する時に
在住している国の法律で決められた方式でも、有効な遺言を作成できます。

外国において日本民法に基づく遺言を作成するには、
基本的には日本で作成する場合と同様の要件で自筆証書遺言を作成できます。
公正証書遺言や秘密証書遺言を作成する場合は、その外国に日本の領事館が
ある場合には、その領事が公証人の職務を行ってくれます。(民法984条)

領事により作成する方法は、その外国に住んでいることは要件ではなく、
旅行者など一時的滞在者も利用する事ができます。
本人確認は旅券や運転免許証の提示などで行います。

株式会社合併登記その2 合併比率

株式会社の合併手続きの中で重要な決定事項のうち、
合併比率をどうするかがあります。

合併比率をどうするかについては司法書士の専門ではないので、
税理士の先生に判断を委ねることになります。

A存続会社  資本金300万円  発行済株式60株
B消滅会社  資本金1000万円 発行済株式200株

合併比率がA:B=1:1.1に決まったとします。
この場合、B消滅会社の株主1株あたり、A社の株式を1.1株発行することになります。
つまり全体でA存続会社の株式を220株発行することになるので、
合併後のA存続会社の発行済株式数は280株になります。

 

 

有限会社の合併登記手続き

有限会社を存続会社とする会社間の合併はできません。

この場合、まず有限会社→株式会社へ商号変更してから
合併登記を進めていくことになります。

合併登記は思っている以上に時間のかかる手続きです。
まず債権者を保護する手続きに1カ月以上費やすということもあります。
また合併するには官報に公告を載せないといけませんが、
この官報の手続きに10~14日時間がかかります。

なので会社の合併登記は通常1ヶ月半から2カ月かかると
お客様には申し上げます。