司法書士望月賢治の「ナイスアプローチ!」│望月司法書士事務所

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証券会社の相続手続き~野村証券の場合その2~

野村証券の相続手続きの後日談です。

流れとしては以下のようになります。
1.2月22日 相続依頼書等書類一式を送付
2.3月 7日 登録住所宛(私の自宅)に書類が届くかどうかの
確認の案内文が届く
3.3月14日 口座開設済みの案内のハガキが届く
4.3月18日 野村証券から電話がかかってくる。
この電話で売却手続きを進める。
「指値ですか?成行ですか?」など聞かれ、とてもあせる。
持っている株を順次売却していく。
次々と売買が成立していくので、株の取引ってそんなに頻繁に
行われているのかと妙に感心する。
10分ぐらいで全ての株の売却が終わる。
私の口座は役目を終え、閉鎖される。
(一週間程度の命やったかぁ~~)
5.3月22日 指定口座に売却代金が振り込まれる。
依頼主に完了の旨を伝える。

相続手続きを始めてから終わるまで、ざっと3ヶ月程度でした。

 

日曜日の相談

とある日曜日。
相続の相談ということで事務所にお越し頂きました。

事務所は3階にあるのですが、階下から話し声が聞こえます。
あ~何人かでいらっしゃったのかなと思いながら待っていると
総勢5名での来所でした。
大体の相談が1名か2名なので、5名だと応接室がちょっと手狭です。
椅子は3つしかないので、残り2名はパイプ椅子に座って頂くことになりました。

不動産や預貯金をどう相続するか、相続税はどうか、相続した後の不動産の売却の話など
様々な事を話しました。
依頼内容が決まっていなくても、このように雑談形式で物事を決めていくのは、
こちらにも色々な気付きがあるのでとてもいい機会になります。
例えば不動産を2名の共有名義にした時、持分をややこしい数字、
1万分の2345と1万分の7655に分けるなどはできないと思ってらっしゃるとか、
あぁそうなんだと思うことがちょこちょこあります。

その場ではご依頼頂かなくても、相談だけでも喜んで対応させて頂きます。
日曜日でも大丈夫です。

相続放棄の期限が間近です。マジか!?

問題。
疎遠にしていた父親が亡くなったのが令和5年8月17日。
父親が亡くなったのを知った日が令和5年12月23日。
今日は令和6年3月19日。
さて、子供は父の相続放棄をできるでしょうか。

相続放棄を家庭裁判所に申し立てる期限は民法915条に定めがあります。

民法915条
「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、
相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」

相続放棄の手続きをご依頼される方で、3ヶ月以内という数字を覚えてらしゃる方は
多いのですが、いつから3ヶ月かを把握されていない方が多いように感じます。
かなりの確率で、「亡くなった日から3ヶ月」と思われているようです。

正しくは、条文にもあるとおり「相続があったことを知ってから3ヶ月」です。

通常は相続があったことを知るのは、亡くなった日でしょう。

しかし、子供の時に出て行って疎遠だった父親の相続放棄手続きや
付き合いも全くないような遠い親戚の相続放棄手続きの場合、
亡くなった日から3ヶ月以内だと無理ゲーとなってしまいます。

ではどうやって亡くなったことを知るのでしょう。
ケースとしてあるのは、相続手続きに関与している弁護士や司法書士からの手紙です。
また市役所の固定資産税課からの手紙で把握することも多いです。
つまりそのような手紙を受け取って、亡くなったことを知った日から3カ月以内に
相続放棄手続きをすればいいことになります。

状況が不明で3カ月じゃ足りないよという場合には、
申立期間を延ばすことができる手続きもあります。

さて本件の場合、令和6年3月23日までに相続放棄を家庭裁判所に
申し立てれば大丈夫ということになります。
けっこうギリギリですな。

事件です!違う人の権利証が出てきました!

A氏からB氏へ名義変更した不動産を、またA氏に名義変更する相談です。

B氏に権利証を準備しておいて下さいねとお願いしておりました。
さて実際権利証を拝見すると、それはC氏の権利証でした。

ん?
目を疑いました。
同じ不動産の話です。

登記簿では確かにA氏→B氏へ名義変更されています。
ところが権利証ではA氏→C氏になっているのです。
しかし登記簿にはその形跡が全くありません。
ご本人たちも全く記憶がありません。
法務局で調査してきますということでその場は終了しました。

後日法務局に行って調査すると、
C氏の所有権移転登記は抹消されており、
現在の所有者はB氏であるとの確認が取れました。

このような事は、登記簿がコンピュータ化される過程で、
抹消されている項目は省かれてしまったことにより生じました。

本来なら権利証を見ると、「抹消されている」ことは分かるはずなのですが、
権利証を使わずに所有権抹消手続きをしているとそれも分かりません。

今回は無事にご依頼通り、A氏へ名義変更することができます。

1歳の孫への贈与。できますか?

かかりつけ医から相談を受けました。

「1歳の孫への贈与ってできる?」

贈与の対象は不動産で、不動産の名義を孫にしたいとのことでした。
1歳の孫への贈与による名義変更登記はできます。
もちろん1歳のお孫ちゃんは意思表示ができないので、
ご両親が代わりに意思表示をすることになります。
手続き的には、同意書に実印を押して、戸籍と印鑑証明書を添付
することになります。

登記はできますが、税金に関してはしっかり税理士の先生と相談して下さい。
税金はあらゆるところに潜んでいますんで。

ちなみに納税義務があるのは、1歳のお孫ちゃんです。
税金分も渡しておこうかとかかりつけ医はおっしゃっていましたが、
その贈与税分も贈与したことになってしまい、どこまでも税金が追っかけてきます。

ダメ! リボルビング払い

こんなグラフ見たことないですか。
graph_down

リボ払いが、いかに便利かを示すグラフです。
リボ払いとは、お支払い件数や金額にかかわらず、毎月の支払い額が一定になる支払い方法です。

このグラフって一回買い物した後はしばらく買い物をしない場合の支払い残高が減っていく場合を説明したものであって、実際は毎月買い物をするので、毎月の一定額以下の買い物をしないと減っていきません。
しかもリボ払いには手数料がかかります。
私の持っているカードでは15%となっています。
この15%の手数料を考えながら、毎月一定額以下の買い物をしていく計画性が必要となります。
そのような計画性のある人がリボ払いを選択することはないと思いますが・・・

破産申し立ての書類を作成する時、債権者から取引履歴を取り寄せるので、依頼主がどのような買い物をしていたのかが分かります。
サブスクリプション
ドン・キホーテ コンビニ UberEatsなどのちょっとした買い物
マクドやファミレスなどのちょっとした外食
一つ一つの金額は小さくても、積もれば大きくなるのは当然で、
しかもリボ払いにしていると手数料も加算されているので、
依頼主もこんなはずじゃなかったという金額になります。

リボ払いは本当にやめましょうね。

「リボ払い」(リボルビング払い)とはクレジット払い分を一定の金額で毎月返済する方式のこと。 あらかじめ支払い回数が決まっている分割払いとは違い、支払残高がなくなるまで支払いが続く。 リボ払いはメリットとして、毎月の支払い額を一定に保てることがある。 その反面、デメリットとして、リボ手数料(利息)が返済額に上乗せされるため、多用すると完済までの期間が長くなり利息の総額が膨らんでいくことが指摘されている。

証券会社の相続手続き~野村証券の場合~

金融機関の相続手続きの依頼を受けることがあります。
金融機関によって多少の違いはありますが、大筋の手続きは
以下のようになります。

1.戸籍を収集して→相続人を確定する。
2.相続人全員から委任状をもらう。
(印鑑は実印。印鑑証明書付)
3.2と同時に法務局にて法定相続情報を作成する。
4.相続手続代理人として私一人で金融機関と手続きを進めていきます。

証券会社の場合は選択する手続きにより以下のようになります。
1.株式を名義変更して承継したい場合
承継する相続人が証券会社に口座を開く必要があります。
新しく開いた口座に被相続人の株式を移行して手続きは完了です。
相続人のタイミングで株式を売却することができるようになります。

2.株式を売却→現金化して現金を相続したい場合
野村証券の場合、相続手続代理人名義で売却専用の口座を開設することができます。
相続人名義で口座を開設する煩わしさがないメリットがありますが、
売却する時期を選ぶことができないというデメリットがあります。

他の証券会社の相続手続きはやったことがないので分かりませんが、
おそらく同様の手続きを選択することができるかと思います。

来ました 確定申告の季節

やってきましたね。
確定申告の時期がやってきました。

別に喜んでいるわけじゃないんですけど、
2023年度に贈与をした依頼主様に
「贈与税」や「相続時精算課税制度の申告」の案内をするようにしているので、
私の2月1日の予定表には、昨年に贈与をした依頼主様の名前がずらっと
並んでおります。

1年という時間は長いもので、
私は内容をすっかり忘れておりますし、依頼主様も忘れております。
しかしそこは既に対策済み。
忘却の彼方にある記憶を取り戻せるよう資料はしっかり作っております。
2月1日の予定表に名前を入れておくのも対策の一つです。

贈与税って、国から請求があるんじゃないですよ。
こちらが計算して、こちらから申告をしないといけません。
昔の年貢を納めるような感じですね。

親も忘れている不動産の相続

親の持っている不動産がどこにどれだけあるか、
把握できてますでしょうか。

最初の確認方法は、市役所から届く固定資産納税通知書です。
これである程度は把握できますが、役所によっては、
道路部分など非課税物件は出てこないかもしれません。

次の確認方法は、権利証をチェックすることです。
納税通知書に記載されていない不動産が出てくることがあります。

最後は、市役所で取得することができる名寄帳です。
名寄帳を確認すれば、その市内で親が持っている不動産は全て確認できます。

ただそれにしても「市」単位なので、
確かおやじが鳥取県の方でリゾート開発地を騙されて買わされたって
言ってたなぁレベルではなかなか見つけることは難しいかも知れません。

土曜日って休み?

会社が合併をする時、官報などに公告をする必要があります。

「左記会社は合併して甲は乙の権利義務全部を承継して存続し乙は解散することにいたし
ました。この合併に対し異議のある債権者は、本公告掲載の翌日から1ケ月以内にお申
し出下さい。」
みたいな感じです。
この公告が1月23日に掲載された場合、1ヶ月の公告期間は、1月24日から2月23日までとなり、異議がある場合は、2月23日までに申し出ないとならなくなります。

さて2月23日が日曜日だった場合、どうなるのでしょうか?
民法142条に規定があります。

民法142条
「期間の末日が祝祭日その他の休日に当たるとき、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。」

2月23日が日曜日だった場合、翌日の24日に期間が満了することになり、
24日までに異議申し出をすればいいことになります。

さて2月23日が土曜日だった場合はどうなるのでしょうか。
土曜日は「その他の休日に当たるとき」に該当するという考え方が有力です。
23日の土曜日、24日の日曜日を経て、25日の月曜日に期間が満了することになり、
25日までに異議申し出をすることになります。

合併登記関係の書類は、26日以降の日付で作成した方が確実ですね。