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カテゴリー別アーカイブ: 相続

自筆証書遺言の方式緩和

自筆証書遺言の方式緩和が2019年1月13日から始まりました。

緩和のポイントは、
「財産目録」については代筆やパソコンによる作成が可能になった
ということです。
登記事項証明書や預金通帳のコピーを添付する方法も可能です。

添付した財産目録の各ページに署名と押印が必要となります。
財産目録が両面にある場合には、その両面共に署名・押印が必要です。
契印は必要ないとのことです。

少し先の話ですが、2020年7月10日から
自筆証書遺言が法務局で保管される制度が始まります。
保管制度を利用した自筆証書遺言は裁判所の検認が不要
の扱いになるということです。

海外在住日本人の遺産分割協議書への押印手続き

尼崎市内の不動産の相続登記の事案です。
アメリカ在住の日本人の方から相続登記手続きのご依頼を受けました。

遺産分割協議書には署名と実印の押印をし、印鑑証明書を添付します。
ところがアメリカ在住で日本に住所がない場合、印鑑証明書の交付を受けることができません。

本件の場合、依頼人が日本に一時帰国することになったので、
公証役場にて署名証明を受けることによって、印鑑証明書に代える手続きをとりました。

 

 

韓国籍の方の法定相続情報取得について

運用開始から1年。
法定相続情報もかなり実務に浸透してきているように思います。

先日、現在は帰化されている、元韓国籍の方から法定相続情報の取得を
依頼されました。

法定相続情報は取得できるのでしょうか。

答えは、「取得できない」です。

法定相続情報を取得できる条件として、
出生から死亡時までの戸籍を集める必要がありますが、
その戸籍が全て日本の戸籍である必要があるためです。
そしてそれは帰化された方や、相続人に韓国籍が含まれる場合も利用不可なのです。

ただでさえ取得が困難な韓国の戸籍にこそ適用してほしい制度ですが・・・
法務局には荷が重いということなのでしょうか。

相続人のうちの一人からの法定相続登記申請

法定相続人が、A・B・Cの3人で、法定相続分通りに相続登記を申請するとき、
原則3人全員からの共同申請となります。

ところが法定相続登記の場合、3人のうちの1人からの申請で、(2人の関与なしに)
3人全員の登記申請ができてしまいます。

例えばAのみからの申請の場合、申請書の振り合いは以下のようになります。

相続人 (申請人)持分4分の2 A
持分4分の1 B
持分4分の1 C

ところで、このような登記申請をした場合、登記識別情報が発行されるのはAのみとなるので注意が必要です。
BとCは登記識別情報(権利証書)がない状態になってしまいます。

遺産分割調停調書に基づく相続登記

前回、遺言書に基づく相続登記は、
通常の相続登記に比べて、手続きは楽だと書きました。

遺産分割調停調書に基づく相続登記は、遺言書のそれと比べて
もっと楽です。
必要書類は、
・遺産分割調停調書
・調停により財産を受けることになった相続人の住民票

以上なんです。
戸籍は必要ありません。

もっとも、ここに至までの道のりが大変なんでしょうが・・・

遺言書に基づく相続登記

公正証書遺言による相続登記のご依頼を頂きました。

通常の相続登記手続きの場合、準備すべき事項は
以下のようになります。
1.被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・原戸籍
2.相続人全員の戸籍
3.原則として相続人全員の関与が必要

一方、遺言書がある場合は、以下のとおりとなります。
1.遺言書
2.被相続人が死亡したことが分かる戸籍
3.財産を相続する相続人の戸籍
4.関与するのは遺言書で指定された相続人のみ。

準備すべき手続きとしては、遺言書がある方が、
関与する関係者も少なく、楽ですね。

相続人に知的障害者がいる場合の相続登記手続き

久しぶりの更新となってしまいました。

相続登記のご依頼を承りました。
聞き取り及び戸籍の調査から、相続人は母と子の二人であることが確認できました。
ただし子が知的障害で意思表示をすることができず、
遺産分割協議をすることができません。

この場合、子のために成年後見人を選任して、その成年後見人に
遺産分割協議に参加してもらうという方法が考えられます。
ただしこの場合でも、子の財産を保護するという観点から、
母が全てを取得する旨の遺産分割協議を成立させることは、
よっぽどの事情がない限り難しいでしょう。
また当初の目的である相続登記が完了しても、成年後見制度は続きます。
とても手間です。

法定による相続登記をするなら、母からの申請だけで母2分の1、子2分の1の割合
による相続登記を申請することができます。

本件の場合、すぐに売却する状況になく、成年後見制度を利用せずに、
相続登記を完了させるのが、手続き的にも費用的にもいいかと思います。

新しい財産管理の方法~家族信託~

今までの相続対策では認知症対策にはなっていません。
認知症対策として成年後見制度がありますが、様々なデメリットがあることを
ご紹介しました。

認知症の財産管理対策と相続対策の両方に効果を発揮する、新しい財産管理制度があります。
それが「家族信託」です。

「家族信託」とは、信頼できる家族に自分の財産を託して管理、処分してもらう方法です。
・自分が元気な時から家族に財産の管理や処分を託せることができる
→自分の目の黒いに後継者を育てることができる
・認知症で判断能力が衰えてきた後についても、家族に財産の管理処分を託すことができる
→成年後見制度に代わるもの
・自分が亡くなった後に、管理を託していた財産を誰に承継させるかまで決めておくことも可能
→遺言書に代わるもの

以上のような効果を期待することができます。

相続対策と認知症の財産管理対策は異なります

「終活」という言葉も一般的になってきたように、近年、相続対策をされている方も増えてきているようです。
終活ですることと言えば「遺言書」の作成ですね。
公証役場の統計も遺言公正証書の作成が増えていることを示しています。

また相続税の基礎控除が引き下げられたことにより、課税対象になった相続が倍の件数になったとも言われております。
このような経緯もあって、なるべく相続税がかからないように銀行から借入をして不動産を購入したり、生前贈与をするなどの相続対策を行う人が増えてきています。

しかしながらほとんどの相続対策は認知症対策にはなっていません。以上に述べた相続対策は相続発生後に困らないような対策が目的になっているからです。

認知症の問題は相続の前に発生するので、一般的な相続対策のほとんどは認知症対策になりません。
従って既に相続対策を行っている人でも、新たに認知症対策として相続対策とは別の対策をしておく必要があります。

認知症リスク~成年後見制度~

認知症は、誰もがかかる可能性がある身近な病気です。
現在、65歳以上の高齢者の7人に1人が認知症患者です。
これが2025年には5人に1人が認知症患者になると言われています。

認知症になると困ることとして、
① 銀行から預金をおろせない
② 不動産を売却できない
③ 遺産分割協議ができず、相続手続きが進まない
などがあげられます。
認知症患者の介護費用のため、認知症患者本人の預貯金を使えない
という事態が生じてしまいます。

本人が認知症になったあと、本人の財産管理をする方法は「成年後見制度」しかありません。
成年後見人が選任されると、以後本人の「身上監護」と「財産管理」を成年後見人が行います。

成年後見制度のデメリットとして、
・後見の申し立てを取り下げることはできない
・成年後見人は自分で選べない(家庭裁判所が選ぶ)
・本人が亡くなるまで成年後見は終了しない(途中で後見制度の利用を止めれない)
が挙げられます。
このような点を十分に検討したうえで申立てをする必要があります。